第3章 遊ぼう。
駅からすぐの、夜中もやっているボウリング場に手を引かれ連れて行かれた。
カウンターで手早く受付を済ませ、レーンへ。
電車の中で、俺結構上手いよ?と自信満々な顔で語っていたが、
実際やってみると、私と互角な腕前。
・・・実は私もボウリング得意だったりするのだ。
あっという間に1ゲームが終わり。
3ピン差で私の勝ち。
「・・・げ、まじ?」
「へへーん」
ドヤ顔で宏光を見る。
得意と言っていた男を負かしてしまった。
男を落とすなら、ここでは下手だと思わせて教わる、っていうのがいいのかもしれないけど。
そんなの関係ない。自分が楽しみたいから本気を出した。それだけ。
「くそー、悔しい!もう1回!」
「かかってこい!」
彼氏に振られたことも忘れて、宏光とボウリング対決をした。
そのまま2ゲーム目、3ゲーム目も僅差で私の勝ち。
宏光はオレが勝つまでやめない!と言って、勝負を挑んできた。負けず嫌いだと思われる。
4ゲーム目に入ったところで、私の体力が切れてきた。
「腕痛くなってきた…」
「まじ?勝てるチャンスじゃん!」
ニッと笑い、ストライクを出す宏光。
その笑顔がまた闘争心を燃やす!
「負けないんだから!」