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by chance?

第3章 遊ぼう。



4ゲーム目が終わり、スコアは・・・


僅差で宏光の勝ち。


「やったー!ゆりさんに勝ったー!」
「えー、悔しいなぁこれ。」


なんていいながら、両手をあげて喜ぶ宏光を見て笑顔がこぼれる。
まぁ、この笑顔が見れるなら負けてもいっか。
なんて思って笑っていると。


「ゆりさん、笑ってる顔の方が可愛い!」


泣いてる顔も可愛かったけど、なんて言いながら宏光が笑う。


「な、何言って…」
「そう思ったんだ。だから言っただけ。」


コイツ…慣れてるな…
なんて思いながらも喜んでしまう自分の気持ち。
可愛いと言われて喜ばない女子がどこに居る!


もうそろそろ帰ろうか、と言われ、コクン、と頷くと、また手をとり、歩いていく。
なんで会ったばっかりの人と手をつないでるんだろう…と思いつつ、振り切れない手。
会計も、オレが誘ったんだから、と奢ってくれた。


外に出ると、朝方の冷たい風が吹く。
少しブルッと震えると、宏光は首に巻いていたマフラーをとり、私の首にかけた。


「え、」
「寒いでしょ。女の子は体冷やしちゃダメだよ。貸したげる。」
「でも」
「また遊んで。そのとき返してくれればいいよ!」


そう言って、通りに出て手を上げると、宏光の前にタクシーが止まる。
扉が開き、そこに押し込まれる私。


「この子の家まで送ってください」


と言って、運転手に万札を一枚渡す。
バタン、と扉が閉まり、混乱していると、宏光がジェスチャーをする。


私を指差し、手を電話に。最後に手でハートを作っていた。



・・・・・どういうこと?




「家はどちらですか?」
「あ、○○の3丁目まで・・・」
「はい」


と運転手に伝えると、タクシーが走り出す。
車内から後ろを振り返ると、宏光は車が見えなくなるまで大きく手を振っていた。


見えなくなったところで、前を向きなおしてさっきのジェスチャーを思い出す。
私の…電話?まさか…


自分の携帯を取り出し、メモリを確認すると―――



「北山宏光」




・・・いつの間に。


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