第1章 素直な気持ち(五条悟)※
そして悟の手は優しく夢実の頬に触れる。
「夢実にこんな顔させるくらいならさっさと伝えればよかったよ。
…ごめんね、夢実。
大切にしたいと思っていたんだ。」
ー呪術界ー…
いつ何が起こるか分からない世界…
明日が来ないことだって珍しくない。
それは僕も夢実も、みんな同じ。
みんな同じ中で戦っている。生きている。
そしてこれから彼女が大人になって出会うはずのたくさんの選択肢を奪ってはならない。
僕は大人で彼女の先生だから。
気がついたら好きだった。
そこにちゃんとした理由なんてない。
彼女の太陽みたいな笑顔をずっと見ていたいー…
そんなことを思うようになった。
でも僕は先生だから、彼女を独り占めすることなんてできない。
結局全部ただの言い訳だった。
中途半端なことをして結果大切な夢実を傷つけた…
僕は最低だー…
夢実は悟の告白に驚きつつも目を逸らさないでいた。
「…ねぇ、夢実。
キスしてもいい?」
『え、っ…、キ……ス、ですかっ…?』
「うん、ダメ?
さっきのは(僕にとって)キスのうちに入らないし、気持ちを伝えたところでちゃんとしたいんだけど…」
『ダメじゃない、けどっ…』
「けど?」
『本当に、私でいいの…?
さっきのは、本当なの…?』
「夢実だからいいんだよ。
それをこれからたくさん確かめ合っていこう?」
悟は優しく夢実に微笑んだ。
「ー目を閉じて、夢実…」
ちゅっ…と触れるだけのキス。
そして夢実の口内に悟の舌が入ってきて激しいものへと変わった。
『んっ、んぅ…っ、っっ、せんせ…』
お互いに呼吸が荒くなってくる。
苦しくなった夢実は息を吸うために口を開けるがその度悟の舌が入ってくる。
銀色の糸が引き、やっとのことで唇が離れる。