第2章 陰陽(夏油傑)※
「…あいつは何のために部屋を借りに来ていたんだ?」
『それはっ…!』
「ホテル代わりにでもされたのか。」
『………』
「行為を致したところで休めるなんて、君の神経を疑うな…」
『…で、ですよね…』
ヘラヘラ笑う夢実の表情を見たとき私は何かを感じ取った。
この娘…他にも何か隠してる…
「…まさかとは思うが、別れたあと関係を持ったのか?」
私の言葉に目を見開く夢実。
そして顔を真っ赤にさせながらこう答えた…
『そんなこと、するわけないじゃないですかっ…!』
この反応は、肯定と捉えるべきか…
『い…痛っ……!』
気付けば私は体が勝手に動いていた。
夢実の手首を掴み、奥の寝室まで引っ張って行った。
そして彼女をベッドに押し倒した。
『ちょ、ちょっと、夏油さん…!
何するんですかっ…!』
夢実は驚いた表情でこちらを見上げる。
そんな彼女を私は見下すように見る。
ふわっとした頬、赤みが強くぽってりとした唇、長いまつ毛、そして全身綺麗な白い肌…
私は思わず唾を飲んだ。
彼女を私でいっぱいにしたいー…
そんな欲が出てきたのだ。
「…そんなに彼のことが好きだった?
簡単に身体を捧げるなんて、意外と尻軽なんだね夢実は。」
『そんなことっ……』
夢実は何か言いたそうにしていたが私はその言葉を遮り、彼女の耳元でこう囁いた。
「君はもう二度と他の男と寝させないよ。」
そして私は理解に追いついていない彼女の唇にキスをした。