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どうか笑って。【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】

第13章 ハナミズキ


「うまい!!!」

すき焼き弁当?を食べる煉獄さん。ものすごい数だ。片付けるスタッフさんが山積みになったお弁当箱を重ねてバランスを取っているのを見て、私は笑ってしまう。やっぱり煉獄さんは沢山食べるんだなぁ。

切符をきる。ジジッと電車の照明が揺れる。列車が暗転する。
次の瞬間、鬼が現れた。

すぐさま、煉獄さんの一撃で鬼が空中で散り散りになる。音響が胸に響く。煉獄さん、物凄く強い。

二体目。煉獄さんは逃げ遅れた乗客や、間合いを取り間違えた伊之助くんを救い出し、すぐさま鬼の首を落とす。全てが流れる様な無駄のない動き。

燃える炎、画面いっぱいに映る彼の姿。

私は煉獄さんが戦う姿を見た。なんて、かっこいいんだろう。そう思って私は隣の煉獄さんに視線を移す。すると、煉獄さんも私を見ていたのか目が合った。

「…っ、」

煉獄さんは私と目が合うと慌てて目を逸らした。あれ、照れてる?よく表情が見えなかったが、大画面に映る自分の姿はやはりなにか思うことがあるのかもしれない。私も画面に視線を戻す。

煉獄さんが、眠っている。

炭治郎くんの夢、善逸くんの夢、伊之助くんの夢、そして、煉獄さんの夢

煉獄さんの夢はあまりにも他のみんなと比べて、現実的なものだった。むしろ夢ではなく、記憶だった。本を読みながら横になる父、柱になったことを報告する煉獄さん。

「柱になったからなんだ。くだらん。どうでもいい。どうせ大したものにはなれないんだ。俺もお前も」

煉獄さんのお父さんの言葉に私は息を飲む。そんなふうに言わなくても。強い言葉に私は辛くなる。隣の煉獄さんを見ると、懐かしそうな顔をしていた。どうしてそんなに平気そうなの。

「しかし、そんなことで俺の情熱はなくならない!心の炎が消えることはない!」

弟さんに真っ直ぐに言う煉獄さん。どうしてそんなに強くいれるの。煉獄さんに抱かれた千寿郎くんの目から大粒の涙が溢れる。煉獄さんには弟さんがいたんだ。私は煉獄さんが道場の生徒さんに向ける優しい眼差しを思い出した。

場面は流れる。煉獄さんの燃える無意識領域、眠りながらも女の子の首を掴む煉獄さん。

いち早く炭治郎くんが目覚め、鬼と対面する。瞳には「下壱」の文字。隣の煉獄さんを盗み見ると、どこか悔しげな表情を浮かべていた。まだこの頃、煉獄さんは眠っていたのが自分でも悔しかったのかもしれない。
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