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どうか笑って。【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】

第9章 暖かい風、熱い熱


「今日の煉獄先生、なんかおかしくね?!」

ところ変わって、煉獄が剣道を教える道場。教えを受ける生徒たちは明らかに様子のおかしい自らの指導者にひそひそと集まって話をしていた。朝から一人で素振りをし、目が合った生徒を捕まえては相手が立てなくなるまで打ち合いが続いた。否、立てなくなっても「気合いを入れろ!」と打ち込みを止めなかった。結果、生徒は煉獄から逃げ回ることになるのだった。

「おい誰か何かあったか聞いてこいよ」
「いや今煉獄先生に近づいたら死ぬまで打ち合い終わらない 」
「あれ絶対何かあっただろ」

「何を話している!!!」

ひそひそと話す生徒に気づいて煉獄が大声で叫びながら近寄ると生徒は四方に散らばる。そんな皆の様子に煉獄は「どうしたというのだ…」とまるで自身の異変には気付いていない。ふと、逃げたうちの生徒のうち、高校生の斉藤があるものを落とした。

「む?」

「あ、やべっ」

煉獄は斉藤の落としたものを拾うと首を傾げる。一辺4cmの正方形の袋だ。中には円状のコリコリとした物体が入っている。透けて見える色はピンクで外装は半透明。斉藤はやや気まずそうな表情をしている。

「斉藤少年、これはなんだ?」

「え?なにって、コンドームでしょ」

「こんどーむとは何だ?」

「は?」

「む?」

その瞬間斉藤をはじめ、中学生以上の生徒が一斉に顔を見合せた。

まじか

誰も何も言えない雰囲気の中、煉獄は1人で「こんどーむとは?」と手に持つそれをぐにぐにと指先で弄びながら不思議そうにする。そんな煉獄に斉藤が近寄る。

「煉獄先生、セックスしたことないんですか」

「せっくすとはなんだ?」

「セックス知らないんですか」

「知らん!」

それを聞いた斉藤は自分の荷物からスマホを持ってくる。他の生徒たちは興味津々のものもいれば、呆れている様子の者もいて、一様でない皆の様子に余計に煉獄は戸惑った。斉藤はスマホを操作すると、煉獄に画面を見せた。煉獄は覗き込む。

「あぁんっ…ぁっぁっあっ」

道場に響き渡る女の妖艶な声。肌がぶつかる乾いた音。男の唸る様な低い呼吸。

「〜〜〜〜!?///」

煉獄は斉藤のスマホから流れる動画、画面いっぱいに映る男と女の姿にみるみるうちに顔が赤くなる。モザイクのかかる結合部、女の揺れる乳房、あまりにも突然の光景に頭が追いつかない。
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