第7章 いくつもの、世界
「これは、スマートフォン、略してスマホとみんな呼んでいます。遠くの人と連絡を取りあったり、何か調べ物をしたり、写真を撮ったりすることが出来ます。」
「む?鎹鴉のようなものか?」
「は?カラス?」
「鎹鴉だ!!」
煉獄さんにスマホを渡し、私は一通りの説明をした。電源の入れ方、文字の入力の仕方、電話のかけ方、とりあえずLINEの使い方を中心に、インターネットの利用方法にも軽く触れた。しかし、煉獄さんはあまりにも豊富なスマートフォンの機能と、何より入力がまだ慣れないらしかったので、あまり色々なことは説明しないでおいた。
「フリック入力を覚えると楽ですよ。煉獄さん。」
「よもやよもや、俺は中彩のその速さが信じられん。」
「大丈夫ですよ、すぐ慣れます。」
煉獄さんは私の入力するスピードを目を丸くしている。比較的直ぐになんでも出来るようになってしまう煉獄さんより初めて出来るものが見つかった気がして私は少しだけ嬉しくなった。
「特に、このインターネットと言うものは興味深いな。」
「煉獄さんが初めて来た時、私はインターネットで煉獄さん調べたんですよ。」
「何!?俺も載っているのか。」
「当然です。煉獄さんは大人気の登場人物、キャラクターなのです。」
「どうすれば調べられるのだ?」
「ここの空白を指で触ってから、『鬼滅の刃 煉獄』と入力してみてください。少し空間を空けると複数のキーワードで検索できます。」
「む…確かに俺だ。にわかには信じ難いが、俺たちの世界のことが本当に鮮明に描かれている。見事だ。」
「まぁ実は私、鬼滅の刃は見てなくて、煉獄さんのことに気づけたのも偶然だったんですけどね。」
「確かに君はあまり知らないようだったな!!!どうだ、俺と一緒に鬼滅の刃を見るというのは。俺もどのように俺の世界が描かれているのか興味がある!!!」
「漫画喫茶に漫画を見に行くと言う方法もありますが、Amazonプライムに鬼滅の刃があったはずなので、アニメで見るのもいいですね。」
「あにめ?」
「あれ?そう言えば煉獄さん最初の1週間、YouTube見てたじゃないですか。アニメ見ませんでしたか?」
「それもインターネットとやらなのか!否、俺は勝手がわからなかったので同じものをずっと見ていた!」
そうか、検索するという発想がないのか…私は苦笑する
