第6章 水族館
嬉しくてつい頬が緩む。
「ありがとう、柚葉」
「はい!ふふ、なんか照れますね」
恥ずかしそうに笑った後、柚葉からも呼んでいいかと尋ねられる。
「俺は構わない」
「ありがとうございます。じゃあ…、義勇さん?」
ただ名前を呼ばれるだけで、俺の鼓動がトクンと鳴った。
少し照れてる姿が可愛らしく、胸の奥に温かい心地良さが広がっていく。
「うん。照れるな」
「ですね。へへっ」
苗字で呼び合っている時より、ぐっと距離が縮まったような気がする。
それが嬉しくて、ついまた話し込んでしまった。
この他愛もない時間が、俺にとってとても大切な時間のように感じられるのだ。
俺は今、柚葉にとって…友人の位置にいるのだろうか。
いつか、そこから先へいけるだろうか…
細やかな願いは、今は胸にしまっておこう。
俺の想いが届くその時まで。