第2章 きっとこれは恋じゃない
「さぁ食べましょ!きゃ〜っどれも美味しそうで迷っちゃうわねぇ!柚葉ちゃんはどれにする?」
「じゃぁ…これ、ピンク!何味かなぁ?」
「美味しそうね!ピンクはね、ピーチって書いてあったわ。私はショコラにしようかしら。小芭内さんはどれにする?」
「では……このグリーン系のものにしよう。味はなんだっただろうか」
「ピスタチオね!因みにこっちの濃い緑のほうはお抹茶よ」
マカロンを手に持つ伊黒さんはとてもお洒落だった。
に…似合う。
「いただきま〜す!うん!とっても美味しいわぁ!」
「うん、美味しいね!」
蜜璃ちゃんが美味しそうにパクパクと食べる姿が幸せそうで、見ている私もなんだか幸せな気分になった。
伊黒さんも蜜璃ちゃんに釣られるように、手に持っていたマカロンをパクッと一口食べる。
「…甘いな」
「小芭内さん食べれそう?無理しないでね?こっちのパンプキンの方が良かったかしら?甘さ控えめなんですって」
「いや、大丈夫だ。気を遣わせてしまってすまない。このくらいなら食べられるよ」
「それなら良かったわ!」
二人が仲良くお話ししているのをほんわかとした気持ちで見ながら、私は二つ目のマカロンを口に入れた。
バニラの甘くて蕩けるような味が口いっぱいに広がった。
ん〜、幸せ!
マカロンを幸せいっぱいに頬張りながら、蜜璃ちゃんが話し始めた。
「9月からは柚葉ちゃんもキメツ学園生なのね。なんだか嬉しいわ」
「そうだな。俺も柚葉が後輩になってくれて嬉しいよ」
「ほんと?ありがとう!私も二人の後輩になれて嬉しいな!」
二人とも、もう卒業はしてしまっているけれど、私が今度通う事になったキメツ学園の卒業生なのだ。
「でも柚葉ちゃん、本当にいいの?」
「え?」
「今まで通ってた学校って、頑張って入った学校だったんでしょう?お父さんと約束したって前に言ってたから」
「…そうだね」