第2章 きっとこれは恋じゃない
冨岡さんに出逢ったその日の夜、私はお母さんに今まであった事を全て打ち明けた。
お母さんは「気付かなくてごめんね」と泣いていた。
2人で沢山話して、これからの事をちゃんと決める事が出来た。
いい方向へ進めたと思う。
今度会ったらお礼がしたい、借りたハンカチも返さなくてはと思ったけれど、今気付いた。
……連絡先聞いてない。
幸いにも家は近いみたいな事を言っていたから、
もしかしたらその辺でばったりなんて事もあるかもしれない。
そんな期待を抱きながら布団に入る。
結構疲れていたのか、いつもは中々寝付けないのに今日は一瞬で眠れた。
その辺でばったりなんて期待も虚しく…
あれから全く会う事なく、1ヶ月が過ぎようとしていた。
お母さんと相談して、私は今通っている学校を辞め、別の学校へ編入する事にした。
夏休みに入った7月の終わり、編入試験は無事合格。
学校の説明や校長先生との面談で学校へ赴いた際、校長先生から「少し校内を見ておきましょうか」と、下駄箱や教室、体育館など、生徒が主に使うであろう場所を案内してもらった。
私が今度通う事になったのはキメツ学園。
今までの学校より家から近くて通いやすい。
朝少し遅く起きられるから、ちょっと嬉しかったり。
それにしても、なんて広い学校なんだろう。
案内がなかったら、もう迷子決定だ。
ここの学園の校長先生は女性の校長先生で、神秘的なオーラを纏ったとても美しい人だった。
帰る時に、「二学期にまたお会いしましょうね」と言ってもらえて嬉しかった。