• テキストサイズ

*Sweetie*-呪術・虎杖悠仁-

第1章  Episode:01*



それからの私の学校生活は、それはもう悲惨なものだった。

転校初日に聞こえてしまった悪魔の呟き通り、私はクラスの女子達からパシられている。

おかげで誰が何を食べるだとか、よく買う飲み物だとか、大体は把握してしまった。

今日も、また。



「私、メロンパンとカフェオレね」

「私はー…おにぎり2つと、あとお茶」



私は、私は、と雪崩のように一斉に言われても、今じゃもう混乱しない。

大抵毎日同じもの頼まれるし。

いつものように手の平に貯まっていく大量の小銭を見て、自腹してくれるだけいいよねと思った。

お金を小銭入れにしまって教室を出ると


「嫌なら断ってもいいんだぞ」


ふいに声が降って来た。

顔を上げると虎杖くんが心配そうに私を見つめている。


「なんなら、俺がいおーか?」


申し出に勢いよく首を横に振る。

気を遣ってくれてるのは嬉しいけど、そんなことされたら逆恨みされて、パシリどころじゃ済まなくなる。


「あ、ありがとう。大丈夫。でも、わたし、いじめられてるとかじゃないから、…その、あんまり関わらないでいてくれた方が、助かる…かな」


本音だった。

虎杖くんのようなクラスの人気者に、私みたいな冴えない奴が絡んでるだけで目をつけられやすのだ。

これ以上の面倒なことは勘弁してほしいので、正直、ほっといてくれた方が助かる。


「ちょっと何してんの!?昼休み終わっちゃうじゃんか!」

「5分以内に行って来なよ。過ぎたら罰ゲームね」

「!!」


教室から聞こえてきた声に身体が反応する。

背中に響く笑い声。

こんな風に、笑いの種にされるのも日常茶飯事だった。

虎杖くんが何か言いたげな顔をしていたけど、最後まで聞かずに私は購買へと足を急いだ。


/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp