第2章 Episode.02
「、こっち来てなんか作ってもらお」
「う、うん」
虎杖くんに軽く腕を引っ張られて、身体が硬直する。
私は未だに虎杖くんの顔をまともに見れない、それどころか、普通に接することも出来ない。
保健室でのことを、思い出してしまうから。
虎杖くんは何もなかったかのように普通にしてるのに、私はひたすらギクシャク。
だって、あんな風に誰かに触れられたことなんか今までなかった。
自分だけ意識してるのは何だか悔しい、けど…ここ数日の私は、虎杖くんの前でだけ怪しいくらいに挙動不審だった。
「何食いたい?」
「え、と……」
カウンターに肩を並べて座って、メニューを広げる。
他の人達は、ダーツやらビリヤードやらのゲームで遊んだり、ソファで寛いだり、自由に過ごしていた。
にしても、虎杖くん、近い。ピタリと肩が当たってる。
普通…なのかな?男友達ってこんな感じ?いたことないから分かんないや…
あぁもう、お願いだから、落ち着け心臓。
*