第2章 Episode.02
ドキドキしながら中に入ると、シンプルだけどセンスの良い内装に迎えられた。
真っ黒なカウンターがあって、コンクリートの壁に紺色のソファがよく映えている。
ビリヤードやダーツなんかもあった。
(バーなのかな…?)
「あ、女の子だー。珍しいね」
「っ!」
ぼーっと立っていたものだから、急にかけられた声にびっくりして慌てて前を向くと。
碧い眼をした白髪の人が、じっと私の方を見ていた。
背が高い。白髪の髪がサラサラとしてて、碧い瞳がすごく綺麗に見える。
もしかして、この人が。
「。この間、うちのクラスに来た転校生」
カウンターから顔を覗かせた伏黒くんが、悟さんに紹介しようと思って、と続ける。
やっぱりこの人が悟さんなんだ。もっと恐い人を想像してたけど、全然違った…こんなモデルみたいな人、初めてみた…
「へー恵たちのクラスに……災難だったね」
「え?悟さん、それどういう意味?」
虎杖くんの突っ込みに、皆が笑い声を上げる。
和やかな雰囲気。
いいな、なんか。
「ホントは大人向きのお店にしたいんだけど、すっかりこの子達の溜り場になっちゃってさぁ…まぁ薫のお友達だし、まっいっかーって、ちゃんも遠慮せず遊びに来てよ」
「あ……は、い」
美形過ぎて近寄りがたい外見を裏切るような、穏やかな雰囲気に自然と心が暖かくなる。
何だか、安心する。
「悟さん。久しぶりー」
「悠仁。生きてたのね」
いつの間に居たのか。
私の隣に立って、悟さんに挨拶をする虎杖くん。
死んでるのかって心配したじゃーん、と悟さんに小突かれていた。
*