第1章 Episode:01*
「…少しだけ擦れて、血が滲んでる。何されたか言ってみ」
「え、と…壁とか地面に突き飛ばされたりしたからそれか……っひゃ!」
肩、に、ぬるりとした湿った感触。
やわらかくて、生暖かい。
もしかしなくても、これは、まさか、虎杖くんの。
「いたど、りくん……っなに、して」
「消毒。これ以上痛くしたくないから」
「………っ」
何とも言えない感触に、身体が震える。
振り払いたいのに、後ろから抱き締められてるから、動くことさえ出来ない。
変な、気分。
虎杖くんの舌が移動するたびに、さらりとした桃色の髪が周辺を撫でていった。
「……白くて、綺麗な肌なのに」
「い、虎杖、く……っ」
「傷残ったらやだな……」
駄目だ。
このままだと、なんか、私。
「虎杖くん……っおねが、もう、や……っ」
「………………」
涙目になって、声を震わせるとピタリと動きが止まった。
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