第1章 Episode:01*
「………」
流れる沈黙。
何も言わない虎杖くんに、ハッとする。
(あれ、私ってば……)
もしかして、とんでもなく恥ずかしいことを言ったのでは……?
自覚して、一気に顔が熱くなる。駄目だ、これ以上顔合わせてられない。
立ち上がって、ぐるんと背を向ける。
「ごめんっ今の忘れ……」
「!」
グイッと肩を掴まれ後ろに引っ張られると、何やら血相を変えた虎杖くんの顔とかち合った。
え、私そんなに変なこと言った?
でも、続けられた言葉は全く違う内容だった。
「背中も怪我してない?制服に血ィついてる」
「え!?うそっ」
確認しようにも背中だから手も目も届かない。
わーわー言いながら慌てていると、虎杖くんに腕を引っ張られてベットまで連れて行かれた。
後ろ向きにさせれて、胸元に入り込んだ手がボタンを次々と外していく。
「わりぃ。脱がすよ」
「やっ!ちょ、やめ……っ」
こんな弛んだ身体虎杖くんに見られたくない!
しかし抵抗も虚しく、私はあっという間に制服のシャツを脱がされてしまった。
「………っ」
何も言わない虎杖くん。
後ろを向いてるから虎杖くんの表情は分からないけど、無理だ。羞恥で溶ける。寧ろ消えたい。
アイツら……と虎杖くんが唸るように呟いた一言は、私の耳には届かなかった。
*