第1章 Episode:01*
「あー……今日からこのクラスに転入することになったさんだ。皆、仲良くするように」
勇気を振り絞っての担任の発言に促されて、私も短く自己紹介をする。
「です。よろしくお願いします……」
あぁ駄目だこの雰囲気。
完全に歓迎されてない。
「うちらのパシリけってーい。地味だし、いかにもって感じじゃん?」
「アハハっ!ヤッバー!似合いすぎてウケる」
「………!」
悪魔の呟きが聞こえてしまった。
冴えないのもダサいのも認めるけどパシリにされる理由は…………あるか。
虚しいけど納得。
我ながら、自分がそういう位置に立ってることは知ってる。
「じゃ、じゃあ、後ろの空いてる席に座ってくれ」
「え、あ、はい」
後ろの方をみると空いている席がふたつ。
なんの疑いもなく窓際の席に座って周りを見渡すと、またもやクラス中から凝視されてた。
(え、え、何で?)
皆何故か驚愕の表情。
死んでも知らねぇぞあいつ……という誰かの呟きは、私の耳には届かなかった。
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