• テキストサイズ

*Sweetie*-呪術・虎杖悠仁-

第1章  Episode:01*


 
逃げ場が、ない。

笑っていない虎杖くんに、じっと顔を覗き込まれる。

ガラスみたいな虎杖くんの瞳には、泣きそうな表情をした情けない私の姿が映っていた。


「……俺は好き、だから」

「………っ」

「…」


ぎゅう、って。

ほんとにそんな音が聞こえる位、そっと、ゆっくりと、抱き締められた。

優しく、名前で呼ぶなんてずるい…怒れない…

薄い皮膚を綺麗に押し上げている鎖骨の感触が、私の心も締め付けていく。


「んー……ふわふわ。クセになりそう……」

「……何それ…ぬいぐるみ、みたいに…」

「あー確かに、でも可愛いからいいじゃん」

「………。」


ふざけて言われてるんだとしても、嫌悪感は不思議と湧いてこなかった。

伏黒くんの言っていた、虎杖くんの得体の知れない恐怖とやらも、今は感じられなくて。

変な人だとは思うけど。

今はまだ知らなくていいと、未だ抱き締められながら、そんなことを思った。


/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp