第1章 チョコと煙草 *宇髄天元*
の腕を振りほどき、正面に向き直ると荒く頬を引き寄せ、キスをした。
「…っんん!」
突然のキスに戸惑ったのか、驚いたのかは身を捩る。
逃げないでくれっ…今は、今だけは……
「…悪ぃ。忘れてくれ…」
唇が離れるのを惜しむように塞いだ唇を離すと、突然したことに謝罪した。
「忘れる訳…ないじゃん。嫌な訳ないよ…私が好きなのは宇髄先生だよ…」
「っ、お前、さっき男と一緒にい」
「違う!私が、告白…されたのっ…」
だんだん声が小さくなって、告白をされたことに対しての恥ずかしさなのか、少し頬を染めながら俯く。
さっきのあれは、俺が勝手に勘違いをしていたのか…?じゃ、こいつが俺を好きっていうのは…
「っ、…はっ…情けねーっ…」
片手で顔を覆い、嬉しさに込み上げたものを溢れないよう上を向く。
「…え、先生?泣いてるの!?」
「うるせーっ!泣いてねーよっ!!まだっ」
まだ、溢れてない。でも見られるのは情けないから、こいつの顔も片手で覆ってやる。
「ちょ、見えないっ」
「黙っとけ」
黙らせるように再び唇を奪ってやった。