第1章 チョコと煙草 *宇髄天元*
俺が近くで覗いてたのが悪いし、言えねぇけどパンツも見ちゃったし。
「でも、平手食らわせちゃったし…ごめんなさい」
「もう気にすんな!ところでお前は…」
何度も同じことを繰り返していても話が進まないから、俺から切り出すと少し嬉しそうに微笑みながら応えてくれた。
「はい、1年のです!宇髄先生、よろしくお願いします」
ペコリとお辞儀をする。
俺のことは知ってて当然だ。職員紹介があった時に全校生徒の前で挨拶をしたから。
「おー、お前1年だったんだな。こんな穴場みたいなところで昼寝してたから、てっきり2年か3年かと思った」
「入学したてだったから、教室とか場所わかんなくて…それで校舎回ってたら、偶然ここ見つけたんです。多分、誰も来ないからお昼寝にいいなって思ってたんですけど…」
寝顔を見られた恥ずかしさなのか、少し俯いて頬を染めながら話すに、胸がドクンと高鳴るのを感じた。
は…?なんだこれ…
思いもよらない突然沸き上がる感情に自分でも驚く。
その感情がなんなのか、冷静に考える。
やべー、柄にもなくこいつに惚れちまった…
一目惚れをした、そう確信してしまった。