第1章 チョコと煙草 *宇髄天元*
起こさないようにそっとスカートの裾を少し捲り上げれば、形のいい尻が覗く。
「…お?白地にピンクレースか…なかなかいいじゃねーの、ありだな。」
覗いたそのものに満足し、先程付けそびれた煙草に火をつけて、壁に寄りかかる。
「確かに昼寝には良さそうな場所だな…」
春の暖かい日差しが気持ちいい。目を閉じてそよ風を感じていると「んぅ…」と声がする。
起きるか?と思って顔を覗き混めば、ふにゃりと頬を緩ませてそのまままた寝息をたて始めた。
「なんだよ、また寝るのか…睫毛長ぇな…」
寝ながら笑うなんてどんな幸せな夢見てんだこいつは、と思いながら顔を改めてまじまじ覗くとふさふさの長い睫毛、少しぽってりとした唇…もっと近くで見てみたくなり、徐々に顔が近くなる。
「肌も綺麗だな…」
そう呟くと閉ざされていた瞼が開いて、綺麗な淡褐色の瞳と視線が合う。
「お、起きた」
「…っ!?きゃ、きゃあああああぁっ!変態!!!」
スッパーーーーン
「ぃっ…てぇー!!」
平手を食らった左頬を擦りながら、目の前の女子生徒を少し睨んで見る。
その女子生徒は何度も頭を下げながら「ごめんなさい」と謝ってきた。
「もういいって。寝起きに知らねーやつの顔が目の前にあったら誰でもこうなるわ…」