第2章 余裕 *冨岡義勇/R18*
夕方になり、そろそろ定時になる頃。
のもとに、上司が分厚い資料を持ってやってきた。
「、悪いんだが明日までに今日の案件をまとめておいてくれ。明日の会議で使うから、頼んだぞ」
そう言って上司はオフィスを出ていった。
「(え、えー……今から?しかも量多い…くっそー、あの豚まんじゅうめっ!!嫌がらせかっ!!)」
丸々太った上司の仕事を断ることも出来ず、しぶしぶと資料に目を通し始めた。
「お疲れ様でしたー」
何人目に言われた台詞だろうか。
気付けばオフィスには一人だった。
ピー、ピー
規則正しい機械音が誰もいないオフィスに響き渡る。
「はぁ~…コピー用紙切れてるじゃん…。取りに行かなきゃ…」
最後にコピー機を使った人が補充し忘れたのだろう。補充すべきものを取りに在庫室へ向かった。
と、オフィスを出ると前からクールな彼がやってきた。
「え…、とみ…おかさ、ん?あれ?帰ったんじゃ…」
「お前一人で片付けられるような量じゃないだろ。それに、後輩の面倒を見るのは先輩の務めだからな」
冨岡はコンビニの手提げ袋をに差し出して、少しふっと口元を緩めた。
「(あ、笑った…冨岡さん、優しいな…)すみません…でも、ありがとうございます」
「それでお前はどこに行こうとしているんだ?」
は冨岡に説明をし、コピー用紙を取りに在庫室へ向った。
一方の冨岡は、のデスクに座ってパソコンの画面へ向かい作業を始めた。その表情はどこか嬉しそうな気がする。