第2章 余裕 *冨岡義勇/R18*
再び転がったペットボトルを拾っていると、今度は冷ややかな声が頭の上から降ってくる。
「。お前はまだこんなところにいたのか」
冷ややかな声の主を見上げながら振り返る
「冨岡…さん………す、すみませんっ」
腕を組み、仁王立ちをしてを見下ろしてくる。
冨岡義勇。の教育係をしてくれている先輩だ。
いつもクールであまり感情が表に出ないので、どうも掴みにくい。それとも"余裕を持った大人"という感じなのか…
「手が止まっているぞ。早く拾え」
「あ、はいっ!!すみません、いつも迷惑かけて…」
冨岡が黙ってペットボトルを拾い上げに渡すと、彼女の手に目が止まる。
その手を掴むとぐいっと引き寄せた。
「、怪我をしている」
先程転んだときに切ったのか、指から少し出血していた。
「なんだよ、血出てるじゃねーか。おら、これやるよ」
宇髄がスーツのポケットからあるものを取り出すと、に差し出す。
絆創膏だ。
「えっ…!!」
「勘違いすんなよ、この間指切った時のがたまたま残ってただけだ。んじゃお目付け役が来たみてーだから俺は戻るな」
手をひらひらさせて、自分のデスクがあるオフィスに戻っていった。
その後ろ姿をぼーっと見ていると、冨岡に肩を叩かれる。
「。急がないと会議が始まるぞ」
「そ、そうでした!!」
宇髄から貰った絆創膏をポケットに閉まい、会議室の準備を急いだ。