第4章 香水のせいだよ→ジンさんの部屋(ジン)
私がクラヴィスさんから逃げるため、逃げ込んだ先はジンさんの部屋だった。
この時間帯は、いないはず。
鍵はかかってなかったので、とりあえず開けてそのまま飛び込むと、部屋でくつろいでいるジンさんがいた。
「おぅ、どうしたんだ?」
「あっ!!す、すみません!ジンさん、部屋にいると思ってなくて!あの!!匿ってください!」
「そんなに慌ててどうしたんだよ」
わたしはかくかくしかじかでと、クラヴィスさんから逃げていることを説明した。
「はーん。まぁ、いいけど?」
ジンさんがそう言ったか言わないかうちに、コンコン!とドアをノックする音が聞こえてきた。
まずい!クラヴィスさんかもしれない。。
ジンさんはわたしに机の下に隠れるようにと目で合図して、私が隠れたことを確認してからガチャリとドアを開けた。
「ああ、クラヴィスか、何か用か?」
「あぁ、一つ聞きたいのだが、を見かけなかっただろうか?」
「?さぁ、今日は見てないが?」
「そうか、ありがとう。また見かけたら教えてくれ」
クラヴィスさんはそう言うと、サッと帰っていった。
「こ、こわかった。。。」
ジンさんが部屋の鍵を閉めて私の元に戻ってくるのを横目に見つつ、わたしは床に座り込んでいた。
「一体何をしでかしたらクラヴィスに追われたりするんだ?」
「私もわからないんですよ!クラヴィスさんのいたずらっていつも急すぎて!」
はぁはぁと乱れる息を整えつつ、私は立ち上がった。
「ジンさん、勝手に部屋に入ってしまい、すみませんでした。」
「あぁ、そうだな。。まぁ鍵はかけてなかったしな。」
「クラヴィスさんもとりあえずどこかに行ったようなので、部屋に帰りますね」
「もう帰るのか?」
ジンさんが少し驚いたような表情で言ってくる。
「え、だってお邪魔ですし。。自分の部屋だったらさすがに安全ですし」
「甘いな」
ジンさんが鋭く言う。
「え?」
「クラヴィスにとっちゃお前さんの部屋の鍵を開けるなんて朝飯前だぞ?部屋に戻ってもすぐ捕まえられて、まぁ十中八九食われるな」
「食われるってそんな!」
「あいつ相当腹すかせてるみたいだからな、まぁが食べられてもいいってなら止めはしないが。」
「ぅぅ。。」