第4章 香水のせいだよ→ジンさんの部屋(ジン)
****************
「ずいぶんと俺のオモチャで遊んだようだなジン?」
「ったく、入る時はノックしろっての」
ジンはまたか、と言った表情を浮かべつつも振り返ることなく声をかけてきたクラヴィスに返事をした。
「ちょっと遊んで返すつもりだったんだけどな」
「それにしてはかなり堪能したようだな?」
ジンとの情事の後、裸体のままシーツにくるまり寝息を立てるロロを見ながらクラヴィスが言う。
「それではもう返してもらってもいいかな?」
「おいおい、かわいそうだろ、もう連れて行くのか?」
「お前の部屋に置いてたら壊されかねないからな」
「あん?どの口がそれを言うんだよ。俺の部屋に置いてた方がよほどマシだろうが」
「壊しはしないさ」
クラヴィスがくっくっと喉を鳴らして笑う。
「へいへい。これも込みでお前はロロを俺の部屋に追い込んだんだろ?」
「なんのことだか?」
「せいぜい労ってあげろよ?あーあ、これジンさん最低な人扱いになっちゃうんじゃない?」
「勝手に王子の部屋に飛び込んだウサギだからな。まぁ躾は必要だろう?」
「まぁお前のその性癖も大概だからな。意外とジンさんのとこに戻ってくるかもしれないな」
「さぁ、どうかな」
クラヴィスは微笑を浮かべつつ、ロロの元に近づくと、シーツごと抱き上げた。
「お前の躾とやらは見たくもないからな、さっさと帰れよ」
「ああ、ご協力感謝するよ、ジン」
「へいへい」
ジンはいつもの調子で、クラヴィスに向かって手を振った。
寝息を立てているロロがクラヴィスのベッドに連れて行かれ、一晩中躾を受けるのはまた別の話。。。
(ジンの部屋編 終わり)