第1章 嫉妬×翔
頭をフル回転させてあれこれ考える。
『はぁ』
そんな私を横目に、1つ溜息をつき、新聞を畳み、立ち上がってこちらに来る翔くん。
私の前で止まる。
翔くんの匂いが微かに香る。
私の好きな匂い。
翔くんが長い指で私の髪の毛を絡め取り
『どうやって触らせた?』
と、私の耳元でいつもより低い声で言う。
甘い声が頭の中でこだまする。
いつもと違う翔くんに
「あ、、えっ、と、、」
って、戸惑ってしまう。
すると
『俺、いつも優しい訳じゃないから』
と。
雄の目をした翔くんが私を捉える。
その瞬間。
髪の毛に触れていた手が後頭部に回され、引き寄せられて唇が重なり合う。
「ん……っ」
そのまま腰を引き寄せられ、ソファに2人で倒れ込む。
「しょ、く、、」
翔くんの長い指が私の唇をなぞる。
『お前の彼氏は俺だってこと、嫌ってほど教え込ませてやるよ』