第1章 理想のペアと藍羽ルイと眞宮孝明
「自分の好物を含めたゴーヤーチャンプルー、ルイくんの肩肘はらない一品料理、楽しみですね」
「眞宮さんは何を作っているのですか?」
ルイが反対に問うとき、フライパンに調味料を足したからか、じゅわーと良い音をたてます。
「おー、隣の方から良い匂いがしてきた。丸井くんと木手くんは何を作ってる?」
「オレは湯葉豆腐の煮物を作ってます。木手は何を作ってるのかな?」
「ゴーヤーも含めた豆乳鍋です」
眞宮の問いに丸井と木手が答えたとき、鍋がぐつぐつと煮えていました。
「2人の料理もおいしそうだ~。丸井くんの期待出来そうですね~。木手くんの等身大の一品料理も注目高まっています」
「あのー」
ルイが苦笑しています。
「どうした? 藍羽くん」
「僕の質問がスルーされていますがー」
「おお、ごめん、ごめん、俺の作っている料理だっけ。俺はデコレーションケーキを作ってる」
ここで眞宮がオーブンから焼けたケーキを取り出し、早技で生クリームをかけ、カットしたいろいろな果物を盛り付けていきました。
「眞宮さんの早技、天才的だろい」
と、丸井はコメントし、ぐつぐつと煮えた湯葉豆腐の煮物を器にゆっくりとよそい、仕上げに入ります。