第10章 shotgun 二口
「ペーペーでも国家資格持ってるんで大丈夫です」
血圧計を外すために近づいた彼女の名札に、橘と書かれているのが目に入る
「橘さん、下の名前何?」
「歩…ですけど?」
「歩、彼氏いんの?」
「は?くだらないこと言ってないで、安静にしててくださいね」
そう言って彼女は、シャーーーッとカーテンを閉めて去って行く
彼女が立ち去ってしばらくすると、先輩たちが戻ってきた
「先輩たちのせいで怒られたじゃないですか」
「若いのにおっかねぇ看護師だな、美人だったけど」
「美人看護師に看病とか最高だな、二口」
「じゃあ先輩も事故ってきたらどうですか?」
軽口を言い合う
でもまぁあの強気な看護師
鳴かしてやりたい気持ちはある
夕飯時になり、先輩たちが帰った
明日も多分また来るんだろうけど…
病院の夕飯は18時と早い
「二口さん、夕食です」
さっきの看護師、歩が夕食を運んでくる
トレイをベッドの上のテーブルに置き、ベッドを電動スイッチで起こす
「自分で食べられますよね」
「無理、食べさせて」
「昼、自分で食べてたでしょ」
「痛くて手が上がんないんだって」
嘘だけど
彼女は渋々トレイの上のスプーンを掴み、食事を俺の口に運ぶ
規則正しいペースで口にスプーンが運ばれる
俺は前屈みで介助する彼女の臀部に手を回し、スカートの中に手を入れる
「ちょ、何やってるんですか!てか手動いてるし!」
動揺した彼女の手からスプーンが離れ、俺のパジャマに落ちる
「こぼすなよ、ちゃんと拭いて」
「ちょ、あなたね」
反論しつつも濡れたティッシュで俺のパジャマを拭き取る歩の尻を悪びれもせず撫で続ける
ビッとストッキングを爪で破って手を入れる
「やっ」
「シーッ、4人部屋だから丸聞こえだぞ」
逆側の手を伸ばして抱き寄せると、彼女はベッドに乗る形になり、ギシッとパイプベッドが軋む音がする
「二口さん…全然、手動くじゃないですか」
「みたいだな、特に指先とか」
そう言って尻を弄る手をショーツの中に差し入れる
「や、本当にこれ以上は…」
小さな声で抵抗する彼女、しかし…