第8章 unexpectedness 縁下
微かに残された理性で自身を引き抜き、白い背中に欲望をぶちまけた
ハァハァ
肩で息をしながら視線を落とす
さっきまで俺を受け入れていた孔から透明の愛液に混じって赤い血が流れる
やってしまった
「ご、ごめん…その初めて…だったの?」
その場に崩れ落ちる歩ちゃんは俺の方を振り返りコクッと頷いた
「ごめん!本当にごめん!俺…歩ちゃんのこと、好きで好きでたまらなくて、さっき他の男と…
「私、初めては縁下さんとって決めてました」
「え…?」
「私、優しい縁下さんが大好きだったのに、こんな風に乱暴にされて…」
今なんて?
俺のこと好きって言った?
「本当ごめん、傷つけて…」
俺は彼女をギュッと抱きしめる
「…でも、今日の縁下さん…いつもと違って…すごくドキドキしました」
「え…それじゃあ許してくれるの?」
彼女は恥ずかしそうにコクンと頷いた
「ちなみに…さっき私を送ってきたのは、兄です」
なんてこった
実の兄に嫉妬して好きな女の子をレイプするとか
しかも友達の家で
誰もこれが俺の話だなんて信じられないだろう
俺も信じらんない
「ねぇ、さっきの俺良かったってこと?」
真っ赤になって彼女は顔を隠す
「もっかいする?」
「歩〜!!!遅くなってごめん!」
階下から冴子さんの声がし、俺たちは目を合わせる
「また今度」
彼女は俺の唇に軽くキスをすると、急いで着替えて脱衣所を後にした
ー数日後、部室にて
「縁下、お前って結構大胆なやつだったんだな」
スガさんがニヤニヤと笑いながら言う
「何がですか?」
「聞いたぞ、田中の家で彼女とヤってたって」
「!」
ーend