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short PARADOXXX(ハイキュー)

第8章 unexpectedness 縁下


「…んのした…縁下!おい聞いてんのか!」

田中の声でハッと我に帰る

「あ、ごめん」

「みんな上に上がったぞ」

「ああ、俺たちも行こう」

「なぁ縁下…歩との仲取り持ってやってもいいぞ」

階段の上から見下ろして言われる

「な、何言ってんだよ」

「いらないならいいけど」

意味深に笑いながら2階に上がって自分の部屋に入る


「おい、龍!あんな可愛い子だと思わなかったぞ!」

西谷が興奮気味に言う

さっき見た歩ちゃんの話で持ちきりだ

「最後に見たの中2だぞ?俺だってびっくりしたよ!2年もありゃ、女は化けるんだな〜」

「彼氏いんのかな〜」

「いなくたって相手にされねーよ」

成田と木下も盛り上がる

「お前ら、見に行ったら勉強するって約束だよな?」

真顔で言うと、全員が正座する

「とりあえず数学だけは今日中に終わらせること」

俺は自分の宿題をリュックに詰める

「え、縁下どこいくんだよ」

「帰るんだよ」

「俺たちを見捨てないで〜」

「ノート置いて帰るから、じゃあまた明日」

そう言って荷物をまとめて、田中の部屋を出る


階下に降りると、まかないを食べ終わった彼女が片付けをしているところだった

勢いで降りてきたはいいけど、急に声をかけるのもおかしいし…
待ち伏せもヤバいし…と考えていると後ろからポンと肩を叩かれた

振り向くと…

「田中…」

「いつも縁下には世話になってるからな、ちょっくら俺がお膳立てしてやるぜ」

ニヤリと笑って食堂の方に入る

「よう!歩!久しぶりだな」

「龍兄?!久しぶり!変わんないね!髪は…何か悪さした?」

「してねーわ!お前は結構変わったな」

「そうかな?」

「まぁ話してみりゃガキん時のまんまだけどな!そういや、お前もう上りか?」

「あ、うん」

「もう遅えから、コイツに送ってもらえよ」

田中が親指で俺を指す

「え、すぐ近くだし大丈夫だよ」

「いやいや、どうせ帰るとこだったみたいだから…なっ?」

「じゃあ…お言葉に甘えて」

彼女は自分の荷物を取りに行くと、食堂の扉を開け

「お疲れ様でーす」

明るい声で挨拶をし、俺と一緒に外に出た

振り返ると田中がウインクしてる

思ってもみない展開になった
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