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short PARADOXXX(ハイキュー)

第7章 strawberry 北


何がおもろいんか知らんけど歩さんはめっちゃ笑ってる。無口で気味が悪い嫁ってほんまなん?

「ほんなおもろかったですか?」

「なんか…あんまり丁寧に素早く収穫するから、イチゴ好きなんかなぁとか思ったら可愛くて」

何が可愛いねん

可愛いのはお前やろ

「イチゴ好きってゆーか、果物でも米でも一緒やけど、大事にして手かけたら…

「ちゃんと応えてくれんのが可愛らしいですよね」

先言われた

てか何なんこの人

前評判と実物違いすぎるやろ


「ほんでパック詰め言うのは…」

「あ、それは私とお義母さんでしますから、北さんは休んでてください。今日は軽トラですか?もし軽トラやったら後で農協の直売所まで乗せて欲しいです」

「分かりました」

俺はハウスを出て軽トラに向かった
 


乗せてくださいてなんや

歩さんも乗るんやろか

ほな助手席片付けんと…

いやちゃうか、イチゴ乗せて持ってけってことか



適当にスマホ触りながら時間潰そうとするけど、なんか色んなこと考えすぎてよう分からん
小一時間ボーっとしてたやろか
助手席のドアがノックされた

運転席から降りて助手席側に回ると台車の上に段ボールに入ったイチゴが並べられていた

「これ後ろに積みますね」

「優しくお願いします」



全部積み終わると

「ほな横乗せてもらっていいですか?」

「あ、どうぞ」

当然のように言われて逆に怯む

「お邪魔します」


エンジンをかけて優しくアクセルを踏む
イチゴが潰れたりしないように優しく優しく


「歩さんはご主人と結構歳離れてますね」

「あ、え、はい。15離れてます」

あ、なんか話題ミスってる

「北さんは…独身なんですか?…あっすみません義母との会話が聞こえてて…」

その内容はどうでもいいけど、聞こえてたんやとしたら、傷ついてるやろな…

「独身です。10年近く彼女もおらんくて」

「え!意外!むちゃくちゃモテる人やろなと思ったんで」

「全然、でも婆ちゃんが早よ孫の顔見せろってうる…

あ、やってもた

孫の顔とか言うたあかんやつ

「…大丈夫ですよ、気にしないでください」

彼女は優しく微笑む

「いや…すみません」

重苦しい空気の中、目的地に到着する。

手早く苺を並べ帰路につく
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