第30章 sprout2 佐久早
「木兎さん、なんかあったんですか?」
「まじで意味わかんない。私ランチ行くから息子たちの保育園の迎え頼んでたんだけど、電動自転車の充電が途中で切れたから、その場に乗り捨てて走って迎えに行ったって」
「え?走って行って…息子さんたちは?」
「両肩に担いで帰ってきたから、電動自転車後で取りに行ってってゆー電話」
「両肩?!ははは!木兎さん最高〜!!」
「いや、木兎さんにしか出来ないですけどね」
奥さんは呆れた顔をしながらもどこか楽しそうで、羨ましいなって思った
「あ、てかお2人に報告があります!」
宮さんの彼女が急に背筋を正した
「なに?」
「私も結婚することになりましたー!」
そう言って彼女は左手の薬指にキラリと光るエンゲージリングを見せてくれた
「わー!おめでとー!」
「やっと!10年経ってやっと言うてくれました」
「いいなぁ、どこでどんなプロポーズされたの?」
私が訊くと彼女は
「聞いてくれます?!それが、エッチしてる最中ですよ!どう思います?!」
ええええええ
軽々しく聞いて、自分で恥ずかしくなる
「こら、オブラート!歩ちゃん真っ赤になってるじゃん」
「わー、ごめんなさいごめんなさい!でもムカつくんですもん!10年待って、その最中って…そんなけ時間あったらもっと何か考えろやって思いません?」
「まぁ…でもうちも似たようなもんだし」
木兎さんの奥さんが言う
「うーん、木兎さんはそんな感じしますね。その結果の三兄弟ですもんね」
「本当猿、でもねぇ困ったことに相性が良すぎちゃって…そんなもんよ」
「うわー、侑もバレーボールチーム作るとか張り切ってるんですよ」
そう言って2人は爆笑していた
本当に木兎家と宮家でバレーボール対決出来るほど子沢山になりそうだな
いいなぁ…
2人ともきっといっぱいいっぱい激しく求められて、中に直接出されてるんだよね
臣くんに激しく求められて、中出しされたのは結局初めてシたあの日だけだった
むしろ当時、無責任に快楽に身を任せて避妊を怠ったと物凄く謝罪された記憶がある
それからの彼はいつも、労わるように私を優しく優しく愛してくれている