第30章 sprout2 佐久早
よかったのになぁ
別に臣くんにならどんな風にされても
もう私たちが付き合ってかれこれ4年、私も三十路目前だし…
それでも臣くんはいつもしっかりゴムをつけて、優しく慈しむように私を抱く
相性は悪くない…というかいつも凄く気持ちいいけれど、本当はもっと貪るように抱かれたいし、臣くんの全部が欲しくなる
でもそんなこと恥ずかしくて言えないしなぁ…
「歩ちゃんはいいよね〜佐久早くんはガツガツしてなそうで!」
「分かります、3人の中で1番大人やし、ほんま羨ましいです〜」
2人の言葉で我に帰る
やだ、私ったら昼間から臣くんの全部が欲しくなるみたいな恥ずかしいこと考えちゃった
「え、いや…そんなことないですよ」
「何なの?今の間は、何かご不満でも?」
揶揄うように木兎さんの奥さんが言う
「いや…そんな不満なんて…でも本当は…もうちょっと、強引に来てくれてもいいのになぁ〜なんて」
あー、私ったらこんなオシャレなカフェで何て淫乱なことを!
「えー!意外!!歩ちゃんも佐久早くんも2人とも淡白なのかなって勝手に思ってたけど、本当はもっと激しくされたいってこと?!」
「歩さんめっちゃ可愛い〜でもそう思ってるなら、ちゃんとオミオミに言った方がいいと思いますよ!こんな可愛い彼女さんにそんなん言われたら、あのオミオミも狼に豹変すること間違いなし!」
2人は私の欲求不満を面白がって、盛り上がってる
本当すごい恥ずかしい…
でも確かに、伝えたことはなかったな
本当はもっと激しく求められたいなんて…
「そんな恥ずかしいこと言えるかな?臣くんに嫌われちゃったらどうしよう?」
「「それは絶対ない!」」
2人がハモる
「そ、そうかな?」
「誰がどう見ても、オミオミは歩さん溺愛なんで絶対大丈夫!それに…これからずーっと一緒にいるんやったら、ちゃんと自分の気持ち言えるようにならんと、しんどくなりますよ?」
「確かにね!佐久早くんにも言い分はあるだろうし、ちゃんと話し合って、良い報告期待してるわ。さてと、私も食べ終わったら自転車の回収に向かうかな」
2人とも凄いなぁ
きっと2人は木兎さんにも宮さんにも思ったこと、ちゃんと伝えて話し合ってるんだろうな
臣くんはどう思ってるんだろう…私とのこれからを