第6章 そして静かに眠る
「…気づいているならもっと
早く声をかけて貰ってもいいですか?」
七海さんはサングラスをなおしながら入ってくる
「ななみんが言うの遅いから僕が先に言っちゃったー」
七海さんは五条さんに嫌そうな顔をすると
私に向き直る
これを…と小さな袋を渡してくれる
中身は…私が2年ほど前に使っていた小さなハンカチ
「2年前助けていただいた時に
返せなくて今の今までずっと持っていました
遅くなってしまいすみません」
2年前…というと
家の敷地の端の方で怪我をしている人を
助けた記憶がある
怪我してたのは
よく思い返せば七海さん…だったかもしれない
家の者に見つかると不法侵入者として
必ず捕まえられるので
式神を使い簡単に治療したあと
当時使っていた外に出る抜け穴を教えたのだ
ハンカチは顔の汗や血を拭うのに使ったものだ
「こちらこそ
もっと他にできたかもしれないのにすみません…」
「謝らないでください
当時、見ず知らずの私に良くして頂いて
本当に嬉しかったです
昨日もそうですが
貴方の人の為にこんなにも
行動できるところが好きです
2年前からずっと貴方が好きでした」
「そ…そんな」
七海さんもストレートな言葉で私に伝えてくれる