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もう1人の器【呪術廻戦】

第6章 そして静かに眠る


「こんな時まで冗談はいいですよ!」



いつもと違う格好というのもあり


不覚にもドキッとしてしまう



「冗談じゃないよ


前からひおりちゃんの事は知っていて


強い子だとは思ったけど


それ以上に強くてでも年相応なところもあって



何より心から人に優しくできる所を見て


好きだなって思ってた」



「っ…」



五条さんがしゃがみ私の両手を握った



「できるならばこのまま連れ去りたい



でも、そうするとひおりちゃんの家族が


酷い目に会うのも目に見えている



…それは望んでいないでしょ?」



五条さんの真っ直ぐな言葉に戸惑いながらも頷いた



「だったら僕にできるのは君を信じて待つだけだ」



「待って貰っても困りますよ…」



「ひおりちゃんが生き延びるには


ひとつだけ方法があるって言ったら?」



「え…?」



「天狐を制御するんだ



力で抑え込み自分の力に変える」



「いやいやいや



特級呪物ですよ?


私の呪力なんかじゃ無理ですよ!」



思わず聞き入ってしまったが


他の人より強いとはいえたかが12歳の子供の力で


どうにかできる相手ではない



「だから待つんだ



ひおりちゃんのペースだと


あと4年もすれば倍以上に呪力が増える



そしたら特級呪物だろうが


簡単に抑えられるようになる



さらに、今の天狐は完全体ではない


ひおりちゃんが飲み込むのは左目



右目がない天狐の力はかなり弱まっているはずだよ」



五条さんは真面目な顔で続けるが


私にはできる気がしない



特級呪物に対抗するなんて


まだ4人しかいない特級呪術師でようやくと言われる代物だ



そんなのを制御だなんて…



「大丈夫



もうひおりちゃんはひとりじゃないよ



皆がいる


家族に式神そして僕…


あと障子の向こうにいるななみんもね」



全く気づかなかったが


顔をあげると障子の向こうに


七海さんが立っていた
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