第6章 そして静かに眠る
ーーひおりへ
こうして手紙を書くのは初めてだな
まず、初めに謝らせてほしい
娘を器として見殺しにする事
決して許される行いではないとわかっている故
許してくれなどは言わない
物心がつく前から
1度たりとも甘やかす事が出来なかったことも
もしもと思うと情が移ってしまいそうで出来なかった
ひおりにも悲しい思いをさせるくらいならば
私を嫌ってくれれば良いとさえも思った
厳しい稽古にも私の前では泣き言も言わず
ついてきた時、逞しい子に育った姿を見て
心が揺らいだ時もある
五条くんから渡された着物は
父親として最大限にしてやれることをしたつもりだ
母さんと一緒に不格好ではあるが
家紋とひおりの名前を刺繍した
ぜひ受け取ってくれ
最後になったが
私も母さんもひおりの事を
とても愛らしく誇らしい愛娘だと思っているよーー