第1章 呪術廻戦*狗巻棘 「盗人少年」
「いいか。まず、野薔薇と私で恋バナを持ちかける。ちょっと探り入れてくるから待ってろ。」
その日の昼休み、真希はその作戦を実行するために志弦と野薔薇と3人で昼食を共にすることにした。
いい天気だったのもあり、中庭で食べることにした。
「真希、急に3人で食べようとかどうしたの?」
「まぁ、主に志弦に聞きたいことがあってな。野薔薇はついでだ。」
「え、真希さん、酷くないですか!?」
真希はレジャーシートなどを敷いて準備をしている志弦に聞こえないように野薔薇に耳打ちをした。
「いいか、棘がついに志弦に告白しようとしてる。だからとりあえず、志弦に恋バナを持ちかける。野薔薇、それとなく振ってくれ。」
「なるほど、そういうことっすか。任してください!」
2人は小さく拳を合わせて頷いた。
「2人とも、何してるの?早く食べよーよ。」
志弦に呼ばれて2人はレジャーシートに座った。
しばらくは普通に雑談をしてご飯を食べたのだが、もうすぐ食べ終わりそうって時に野薔薇が動いた。
「先輩方、せっかく女子だけなんですから、恋バナでもしません?」
「お、いいね!しよしよ!」
志弦は自分がいろいろ聞かれる方だとは思わず、賛成した。
「じゃあまず、志弦。お前、好きな奴とかいねぇの?」
「は?いないよ。そういう真希は?」
「いねぇな。」
「野薔薇は?」
「いませんけど?」
「「「…………………」」」