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短編集

第3章 ダイヤのA*沢村栄純 「ムカつく先輩のお姉様」


無事に勝ち進み、今日は決勝戦。
成宮鳴。稲実戦だ。気合が入る。
今日も志弦さんが来ていないかキョロキョロしてしまっていた。


「さーむら。お前、落ちつかねぇな。何してんだよ。」

「今日は志弦さん来ます?」


御幸先輩に聞けばわかるだろうと瞬時に思い、そう聞いた。
すると先輩はブッ!っと吹き出して笑い出した。この人、姉のこと言えないくらい笑い出すと止まらない。これは遺伝子レベルの問題だと思う。


「何お前、姉ちゃん探してたの?笑えるわ。……今日は来ねえよ。なんか課題とかバイトとかもあるからって。ただ、余裕あったら途中からでも来るって言ってたからもしかしたら後で来るんじゃね?」

「ほんとっすか!?ありがとうございます!!」


志弦さんが来るとなれば頑張らなければ、といつも以上に思った。そりゃもちろん、いつも、普段からめちゃくちゃ頑張っているし、俺はエースになる男だし。でも、志弦さんが来るとなると話は別だ。
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