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短編集

第3章 ダイヤのA*沢村栄純 「ムカつく先輩のお姉様」


そして準決勝当日。
球場について俺はすぐにキョロキョロしていた。なぜって。そりゃ、志弦さんを探しているから。次も観に行くとあの時のメールに書いてあったからいるはずだ。


「おぉーーーい!!」


すこし遠くからそんな声が聞こえて後ろを振り返ると、そこに志弦さんが走っているのが見えた。


「志弦さん!!!」

「おう、沢村くんか。今日も頑張ってね、応援してるからさ!」

「はい!!!」


そんなやりとりをしていたところに御幸先輩がやって来た。


「姉ちゃん、どうした?」

「これ。こっちが選手のみんなね。んで、こっちがマネージャーの子たちへ。じゃ、頑張って!」


志弦さんは持っていた保冷バック2つを先輩に渡すと、去っていった。


「それ、なんですか?」

「んと、チョコのお菓子。……わ、マネにはアイスかよ。溶ける前に届けてやるか。沢村、これ、哲さんに渡してみんなで食べとけ。俺はマネに届けてくるから。」


小さい方の保冷バックを持って走っていった先輩を見送り、他の選手たちがいる方へと歩く。


「頑張ってねって言われた……」


思わずそう呟いてしまった。
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