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短編集

第1章 呪術廻戦*狗巻棘 「盗人少年」


3日後、また棘が志弦の私物を盗んだらしく、校内に志弦の声が響いた。


「とぉぉぉげぇぇぇぇ!!!!」


たまたま廊下を歩いていた五条はまた始まったか。と思い、棘を揶揄うつもりで声のする方へ向かった。

しかし、そこにいたのは志弦だけでどうやら棘は逃げたらしい。
五条はそこから1人で棘を探した。


「お、いたいた。棘ー」

「高菜?」

「今日は一体、何を盗んだのかな?」

「ツナ!」


棘は少し誇らしげに1台のスマホを取り出した。


「なるほど。これは志弦もお怒りだ。ねぇ棘。それ、いつまで続けるの?このままじゃ本当に志弦に嫌われちゃうんじゃない?」


五条はそう言いつつ、そんなことないよねぇと思っていた。
志弦が棘を嫌いになるはずがない。それは見ていればわかる。
だが、当人である棘からすれば本当に嫌われてしまうかもしれない危機であった。


「お、おかか!ツナツナ!明太子!高菜!いくら!!」


相当な危機を感じたらしく、ワタワタしだす棘。
これで危機を感じた棘がさっさと志弦に告白でもすれば、事は解決だ。


「ま、頑張ってねー」


五条はひらひらと棘に手を振ってその場を離れた。
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