第1章 呪術廻戦*狗巻棘 「盗人少年」
「やっと捕まえた!」
「おかか!」
「ダメじゃない!これ私の!」
本当にただ、イチャついてるようにしか見えないので、周りの人たちはこれを見かける度に毎回、「さっさと付き合ってしまえ」と思っているのだ。
「先輩たち、またやってんの?」
「懲りませんね、2人とも。」
志弦に追いつかれて押し倒されたにも関わらず、棘が今日盗んだ志弦の筆箱を返さないので、2人地面に転がって''返せ返さない''のやり取りをしていると、後輩である虎杖と伏黒がやってきた。
「いや伏黒、懲りないのは私じゃなくて棘の方だ。こう毎日のように私物を盗まれる私の身にもなってほしいね。」
「おかか!明太子!」
「棘の言ってること、何となくなら理解できるけど、これだけはいつまで経っても理解できないわ。」
「しゃけしゃけ」
「いや、理解しなくていい。じゃっねぇーわ!」
またまた2人で戯れ合うものだから虎杖も伏黒も無視して真希たちと合流した。
ちなみに野薔薇は志弦たちに声すらかけずに合流済みだ。
「本当に小幡先輩は気づいてないんだね。」
虎杖は2人の様子を見ながら言った。
「あそこまで鈍感なのもどうなんだろ。ああ!焦ったい!!」
野薔薇も相手が先輩であるが容赦なく言う。
「お前らはまだ数ヶ月しか見てねぇだろ。こちとら、去年からずっとあれを見させられてんだ。」
真希は舌打ちをしてから言う。
1年の3人は真希とパンダ、この2人が1番の被害者であることに同情した。