第2章 鋼の錬金術師*エドワード・エルリック 「その表情の下に」
汽車に揺られること数日、目的の街へついた。
そこそこ栄えた街で大きな軍部があるようだった。
「では、取ってくるので少々お待ちください。」
志弦はエドとアルにそう告げて軍部へ入って行った。
エドも国家錬金術師なので軍部に入ることはできるが志弦が拒んだのだ。
「遅くねぇか?」
「そうだね。本を取りに行っただけのはずなのに。」
志弦が中に入ってから既に40分は経っている。
「行くか。」
「うん。」
エドとアルは2人で軍部に入った。
志弦がどこにいるかわからなかったので虱潰しに探していく。
「あいつ、のこのこ戻ってくるとかありえねぇよな。」
「本当に。今はマスタング大佐のとこにいるんだろ?大佐もあんなやつ引き取るとか何考えてるんだろうな。」
「あんなガキに何ができるってんだ。どうせ雑用だろ。」
エドとアルは廊下を歩いている時にそんな会話を聞いた。
「なぁ、それ誰の話?」
「あ?なんだお前。」
エドに話しかけられて明らかに不機嫌になった彼ら。エドはすぐに銀時計を見せる。
国家錬金術師は少佐に相当する。彼らよりもエドの方が地位は上だ。