第2章 鋼の錬金術師*エドワード・エルリック 「その表情の下に」
「あれ兄さん、今志弦さん敬語じゃなかった?」
志弦がエドたちの体をどう隠そうかと考えている時、アルがエドにそう耳打ちした。
「そういえば。って、これじゃあ大佐の思う壺じゃねぇか。」
「まぁまぁ兄さん、そう言わずにさ。志弦さんがこうやって話してくれるってことは少しは気を許してくれたってことじゃない?それを喜ぼうよ。」
「ほんとお前はお人好しだな。」
「兄さんもそうでしょ。」
「2人ともどうしたんですか?」
コソコソ話している2人が気になった志弦は少し2人に近づいて言った。
また敬語に戻っているし。
「いや、なんでもねぇよ。それより、俺らはどうすりゃいい?こんな状態じゃ町を歩けねぇ。」
「確かにそうですね。なので私にいい考えがあります!」
いい考えとは?
と、エドとアルは首を傾げた。
「まず、この町で私が大きめの布を買ってくるので少し待っていてください。そうしたらその布でアルフォンスさんの中身を隠します。で、エドワードさんがアルフォンスさんの中に入るというのはどうでしょうか。」
「はぁ!?」
エドは思わず叫んだ。
何を言っているのかわからなかった、、わけではない。
意味はわかった。確かにそうすればアルの中身がないことやエドの手足が動かないことがバレない。でもその方法が正しいとも思えなかった。