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短編集

第2章 鋼の錬金術師*エドワード・エルリック 「その表情の下に」


犯人の男曰く、エドたちの秘密はなにも知らなかった。しかし、『エルリック兄弟は何か秘密を抱えている。』という噂を聞いてあの脅迫状を書いたのだという。
動機は、前にエドが錬金術を使うのを見て、周りの人達にチヤホヤされていたのが癪だったらしい。
まぁ、八つ当たりもいいところである。


「あなたの動機はとてもくだらない。そんなことのために彼らを巻き込まないでいただきたい。あなたは知らないでしょうが、彼らはすごいんです。私たち他の人間では到底できないほどの覚悟を持っているんです。あなたの逆恨みで彼らの命を奪わないでください。そんなことをしてもあなたの想いは報われない。むしろ募るばかりです。彼らの夢を壊さないでください。彼らの道を塞がないでください。まだ子供の彼らをあなたのような大人が傷つけて何になるんですか。私はあなたのような人間を許せません……!」


志弦がそう、少しの怒りを含んだ声音で言った。
志弦に感情がないと思っていたエドたちは少し驚いた。が、それも束の間。
先程の銃声を聞いて軍の人が駆けつけてくれた。


「しづ!」


駆けつけた軍の人の中にヒューズがいたらしく、怪我をした志弦を見つけて駆け寄ってきた。


「おい、大丈夫か?」

「はい、なんとか。ちょっと出血しすぎたようです。意識が朦朧としてきました。」

「なに冷静に解説してんだ、バカ!さっさと病院行くぞ。話はその後だ。エド、アル、お前らも一緒だ。」


エドとアルは志弦を抱えたヒューズについて一緒に病院へと向かった。
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