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短編集

第2章 鋼の錬金術師*エドワード・エルリック 「その表情の下に」


志弦が走って路地に入る瞬間、向かいから走ってきた男とぶつかった。


「すみません。」


志弦が謝るとその男は舌打ちし、すぐに走った。


「鋼の錬金術師!!!!!!」


男がそう叫んだのを聞いて志弦は思った。
こいつがあの手紙の男だと。
志弦は走って男とエドたちの間に割り込んだ。


「逃げてください!」


その時、男が発砲した。
志弦はエドたちとその男の間に割って立った。
男が発砲した銃弾は志弦の右脇腹を貫通した。


「志弦さん!!!」


アルが志弦に駆け寄った。
その後、逃げようとした犯人の男をエドが追いかけた。


「殺してはいけません。捕まえてください!」


志弦の言葉にエドは目だけで頷く。
そして、手を合わせて地面につき、檻を錬成した。
男は急な出来事に反応できず、立ち尽くしてその檻に捕まった。


「あなたがあの手紙の差出人ですか?」

「あの手紙?」


男がなにも答えないのでアルが志弦に問いかけた。


「脅迫状です。あなた方の秘密を知っているから国家錬金術師の資格を放棄しろと。」


志弦は撃たれたところを庇いながら立ち上がった。もちろんふらついてしまい、アルが支えてくれた。


「あなたの知る彼らの秘密とはなんですか?」

「そんなの今ここで言えるか。」

「今は私服ですが、軍の者です。知る権利はあります。もちろん彼らも自分自身のことなので同じく権利はあるでしょう。ですので、教えていただけますか?」

「知らねぇよ。お前らの秘密なんて興味ない。」
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