第2章 鋼の錬金術師*エドワード・エルリック 「その表情の下に」
次の日、エドは国家錬金術師としての報告をするために軍へ来ていた。
その間アルは志弦とともに待っていた。
「志弦さんは普段どんな仕事してるんですか?」
「そうですね、主にマスタング大佐の雑用ですとか、仕事の手伝いですかね。あと、大佐はよく仕事をサボってどこかへ行ってしまうのでその捜索ですね。」
「大佐ってサボることあるんだ。」
「あの方は一通りの仕事が終わると外へ出て行ってしまうのですよ。ひどい時はナンパをしていることもあるくらいです。ですが、見つけた時は素直に戻ってきてくださるのでまぁ、最近はすぐに見つけられますしそんなに苦労はしてませんね。」
志弦とアルは他愛もない話をして時間を潰していた。
「おい、行くぞー」
少し遠くからエドがそう呼んできたのでアルは小走りでそちらへ向かったが、志弦は動かなかった。
不審に思ってアルは振り向いて聞いた。
「志弦さんは行かないの?」
「私は遠くから見守ることが任務です。ですので気にしないでください。」
「でも、」
「アル!そいつがいいって言ってんだから行くぞ!どうしたって着いてくんだろ?」
アルは仕方ないなって呟きながらエドとともに歩き始めた。
志弦はその少し後ろを他人のふりをして歩く。
軍部を出てから十数分。エドたちは路地の方へ入っていった。
志弦はエドたちが見えなくなってしまったので走った。