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短編集

第1章 呪術廻戦*狗巻棘 「盗人少年」


「志弦、平気な時と平気じゃない時は何が違うんだ?というか、そもそも、その痛みはいつからだ?」

「うーん、いつからだろう。1週間とちょっと前かな。そうだ、前にここでご飯食べた日のちょっとあとかな。あの時さ、身の回りの男子についてどう思ってるかって話したじゃん。あれから、本当にあれで合ってるか不安になってさ、またいろいろ考えてみてて、それでだ。」


ついにこの時が来たのだった。
これで志弦に恋心を自覚させることができる!!!


「特に誰のことを考えてる時ですか!?」


野薔薇の勢いに少し驚きながら志弦は少し考えてから、「うんとね、棘かな。」と言った。
そして、「私、棘のこと嫌いなのかな?この前、嫌いにならないって言ったばっかなのに。」と的外れなことを言った。

真希と野薔薇は、ため息である。


「それさ、嫌いじゃなくて好きなんじゃねぇの?好きだから棘のことを考えて苦しくなるんだよ。それが恋ってもんだ。」


真希の言葉にやっと自覚したらしい志弦は一気に顔を赤くした。
真希と野薔薇はやっと自覚した……と、さっきとは違う意味でため息をこぼした。


「わ、私、棘のことが好き、なの…?」

「その気持ちは志弦にしかわからねぇことだな。自分の気持ちに素直に向き合ってみろ。そしたら超絶鈍感な志弦さんでもわかるんじゃねぇの?」

「ふふ、うん、そうだね。なんか、自覚してみると、ストンって入ってくるもんだね。今までは胸に何かが突っかかったみたいで苦しかったけど、今はそんなことないや。」


志弦は笑顔で2人にありがとう。と伝えた。
しかし、すぐに表情は険しくなる。
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