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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第7章 残されていた愛 繋がる愛



それからまたしばらく経った頃、猗窩座と桜華は目的を定めて移動を繰り返していた。

「猗窩座。可能性は極めて低いですが、日神楽一族に刀を作っていた鍛冶職人の屋敷に向かってみたいのです。

5年以上も前に一度しか訪れたことがないのですが、もし、襲撃を免れていたら何か情報が得られるかもしれません。」


その言葉から、二人は日神楽一族の親族の屋敷跡、そのほかの関係があった場所をしらみつぶしにあたるように移動していた。

父の兄弟の屋敷など、桜華にとって3親等の親族とその嫁ぎ先の家は悉く壊滅。

日中、日の下に出れない猗窩座の事もあって、重装備した上で、土砂降りの大雨の日を見計らって役所に問い合わせもしたが安否不明者はわたしだけとなっていてあとの親族は死亡届けが出されていた。

最後の頼みの綱となった日神楽一族の刀鍛冶を担っていた”細手塚 巧一(コマテヅカ タクイツ)”という男とその家族が住まいを変えて近くにいる事を突き止め、その街に行くことにしたのは春が終わる頃だった。

そして、出来るだけ桜華が自分の身を自分でも守れるようにと、探索の合間を縫って猗窩座が桜華に自分の技の元となっている武術も教え、移動先まで危険がなければ猗窩座と並んで走ることもした。

「何が起きても、生き残れるように」

とのことだった。

思いのほか、基礎のようなことが出来て、物理的な計算やセンスが良かったため、身につけるのもはやく、鬼の猗窩座ですら驚いていたほど。

そういうこともあって、猗窩座からも桜華に鬼殺隊が使うとされている呼吸法や瞑想などを教わったりした。

そして、今日の日の出前に、細手塚 巧一が暮らしている村にたどり着き、今日の日没後、彼の屋敷に向かうつもりで、宿に泊まっている。


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