第6章 その身体に刻まれた過去
優弥は買った男と他2人の部下と共に牢にきた。
「おまえ、もうそろそろ齢16だろ。そろそろ俺らと客の相手しろ。優弥、よくやった。そこで見てろ」
そこからはメスとして欲の吐き捨て場となり多い日で5人の相手を強要された。
男が喜ぶ声を出さなければ
男が喜ぶ顔をしなければ
反射的に反抗すれば
殴る蹴る
髪も引き千切られ
鞭打ち
刃物で切りつけられ
水をかけられ
それでも、精神に反して頑丈らしい体は体調を崩すことはなく、4回ほど月の物が止まったかと思ったら、大量出血して、その間自分のからだの中に何が起きてたのかを悟って意図しない涙が溢れた。
死ねると思っても死ぬことは許されず、
今度こそ精神が完全に崩れるという時に、優弥が久しぶりに一人でやってきた。
「立場上どうにもできねぇ。悪かった。
だが、死ぬ時は自由でいろよ。逃がせる最大で最後のチャンスだ。
来月アジトを大きく変えることになった。
隙を作るから逃げろ。
そっから生きるか死ぬか自分で決めろ。
おまえは頑張って生き抜いた。充分だ。」
それだけ言って去っていった。
心底弱りすぎた心は、嘘かホントかよりも
その言葉が耳にはいることで心の温度が上がって涙が溢れた。
そして、ここで、ここの人に支配されたままで死にたくないという願いが密かに決意に変わっていった。
そして、1ヶ月後、いつものように拷問された後完全に思考停止のまま、檻と木箱に入れられた。
被り物をしていた優弥が檻の鍵をかけた不利をして別のところに鍵の錠をかけたのがわかった。
木の箱の蓋をする前に一枚の紙切れが入れ込まれた。
「樹林に誘導する。何が起きても振り返るな。俺も足洗いたいから命はいらん。助けに来るな。
計画を台無しにしたら俺もおまえも殺される。」
いってたことが嘘じゃないと解ったら涙がでそうだったけど堪えた。
彼の意思は貫こうと思った
自由に死ぬために。
出発した後は、たびたび優弥の声が聞こえた。
そして箱の中の闇が一層暗くなった頃、
「バケモノだぁ!!」
というわたしを買い取った男の声が上がり、
「斬りかかれェェ!」
という優弥の声が上がった。
同時に強い衝撃とともに視界が反転した。