第16章 因縁の終焉
カナエは隠が連れていき、こちらは俺と天元と桜華だけ。
無惨に俺が日の呼吸を縁壱さんから受け継いだと童磨を通じて知れば、あの男は逃げるかもしれない。
ふたりで、千載一遇であるこの状況を鬼を滅す未来へ繋げるためにも、3人で生きて帰らねばならない。
この戦いは俺にとっては、受け継いだ型をすべて出し切り、後々に黒死牟を倒すための通過点になる。
「わぁ~!猗窩座殿!!強くなったね!
いつまで持つのかな?どんなに強くとも俺は鬼だぜ?
なんで、自ら人間なんかに落ちぶれちゃったんだろ…?」
「お前と話すつもりはない」
「えぇ~!人間になってもつれないなぁ…!もっと虐めたら構ってくれるのかな?」
無感情
無自覚の煽り症
万年張り付けた笑みの仮面
飄々とした声は相変わらず不愉快だ。
だが、この呼吸術を生かし、至高の領域で戦うからには、動体視力と体の動きに思考を制限しなければならない。
出来るのか…
いや、やらなければならない。
「血鬼術・蔓蓮華」
四方にズルズルと幾重にも蔓が伸びて、こちら側を絡めとろうとする。
各々が飛びのき、技を繰り成して回避した。
広範囲
無制限
大技の連発でも衰える気配がない。
桜華は体力が回復していない。
時間をかけられない。
コイツの弱点を引き出すことに集中しろ
「血鬼術・寒烈の白姫」
女の像2体
冷気がさらに強くなる。
「血鬼術・結晶ノ御子」
すぐに打ち出される2連の術は厄介だ。
7体の像、内5つは本体と攻撃は同じ
天元の技が繰り出された音が轟く
この量と冷気を捌き斬る
「陸ノ型・日暈の龍・頭舞い」
「肆ノ型 響斬無間」
爆撃、太陽の炎が氷を粉砕し、冷気を飛ばして溶かす。
後ろの天元はまだ、俺が善戦で戦えば桜華を完全に任せて大丈夫だろう。
場を支配出来る広範囲の術ことが童磨の優位性
ただ熱で斬って突き進めば何の問題もない。
次の攻撃が見える。
その隙をついて攻撃を繰り出せ。
「肆ノ型・灼骨炎陽」
「血鬼術・枯園垂り」
バリバリバリバリ
ゴゴゥゥゥゥゥゥ
炎と冷気の激しいぶつかり合いで轟音が轟く。
衝撃が周囲にも音圧と風圧が広がった。