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鬼ヲ脱グ【鬼滅の刃】

第6章 その身体に刻まれた過去




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夕暮れ、


瓦礫を掻き分ける音で顔をあげた。


遠くの方に柄の悪そうな男が4人。


事件や事故があれば聞き付けてやってくるような盗賊兼売人がいると噂では聞いていた。


「おいおい、聞いたかよ、どういうわけか日神楽財閥の役員の屋敷全部壊滅だとよ。


そして、もはや、日神楽の名があるやつは誰一人生き残っちゃいない。


これは稼ぎ時だ。

しっかり働けよ。」



その男の一人の会話で、さらに絶望の縁にたたされる。

気付けば濡れそぼった洋服のまま、その男の胸ぐらを思いきり掴んだ。


「おい!貴様!今なんて言った!」


咄嗟に今まで使ってなかった荒々しい言葉と涙がふきだした。


「なんだこいつ。」

「お嬢さん、名前は?まぁ聞かなくてもその様子じゃここの家の者だろ。」

「質問に答えろ!!わたしの親族がみんな死んだだと?!」


言葉を荒げても男らは益々卑しい笑みを浮かべるだけ。


「へぇ、いたんだ。生き残り。しかも日神楽家の女は特上だ。」


そこで、やっとリーダー格の男が出てきた。


「ここは山奥だ。誰も来やしねぇ。まだ情報も届いてないんだろうよ。

だが、俺らは裏ルートのバイヤーだ。

情報はちんたらしてる公の情報屋より早い。

あんまりにも関係先が機能不全になって気付いてさえいないからな。

あの産屋敷の奴らも、他のところで手が回っていないようだ。

明日頃不振に思ってようやく動き出すだろうよ。」



「そ………んな……。どう……いう………。」

崩れる自分を男らは物を見るような無機質な鋭い視線で見下ろしてた。


もう、憔悴し、体力も気力も残ってない。


全部、あの男だと、この人間もあの男の回し者に思えてきた。


なぜか、襲ってきた鬼に恨みを抱くことは微塵もなくその背後で嘲笑う鬼の始祖に強烈な殺意をもった。


心の中で煮えたぎる憎悪。


でも、それは当時の状況では絶望感に支配されて涙しか出てこず、


胸が強烈に軋んで苦し紛れ悶えた。



そして、


「お前はもう商品だ。連れていく。」


といって、すぐ鳩尾を殴られ意識を飛ばした。







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